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競馬の税金はいくらかかるのか|一時所得の計算を具体例で理解する
2026-03-165分で読める

競馬の税金はいくらかかるのか|一時所得の計算を具体例で理解する

競馬の税金はいくらかかるのか|一時所得の計算を具体例で理解する

前回は払戻金が「一時所得」になることを解説しました。今回は「では実際にいくら税金がかかるのか」を、具体的な数字を使って計算します。難しくはないので、ぜひ一緒に確認してみてください。

一時所得の計算式(おさらい)

一時所得 =(払戻金の合計 − 当たり馬券の購入額 − 特別控除50万円)× 1/2

3つのポイントを押さえておきましょう。

  1. 払戻金は「年間の合計額」で計算する(1レースごとではない)
  2. 差し引ける馬券代は「当たり馬券の購入額だけ」(外れ馬券は含めない)
  3. 特別控除は最大50万円(他の一時所得と合算して50万円)

ケース1:万馬券を1回当てた場合

100円の馬券が50,000円(500倍)になったケースです。

払戻金:50,000円
当たり馬券の購入額:100円
特別控除:500,000円

一時所得 =(50,000円 − 100円 − 500,000円)× 1/2
        = -225,050円

計算結果がマイナス → 一時所得は0円

このケースでは税金はかかりません。 50,000円の払戻は特別控除50万円の範囲内に収まるんですね。

ケース2:年間を通じて複数回当てた場合

年間で以下の的中があったケースを考えてみましょう。

的中回払戻金当たり馬券代
1回目80,000円2,000円
2回目150,000円1,000円
3回目400,000円5,000円
合計630,000円8,000円
一時所得 =(630,000円 − 8,000円 − 500,000円)× 1/2
       = 122,000円 × 1/2
       = 61,000円

この61,000円が課税対象の一時所得です。ただしこれだけで税金が決まるわけではなく、給与所得など他の所得と合算して税率を決めるんですね。

所得税の速算表(国税庁 No.2260)

所得税は「超過累進課税」といって、課税所得が多いほど税率が上がる仕組みです。

課税所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超〜330万円以下10%97,500円
330万円超〜695万円以下20%427,500円
695万円超〜900万円以下23%636,000円
900万円超〜1,800万円以下33%1,536,000円
1,800万円超〜4,000万円以下40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」

税額 = 課税所得 × 税率 − 控除額で計算します。

ケース3:給与所得と合算するとどうなるか

給与年収500万円の会社員が、年間で一時所得61,000円(ケース2)を得た場合を計算します。

①給与所得を計算する

給与所得控除後の給与所得は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」で確認できます。年収500万円の場合の目安は約356万円です(給与所得控除144万円を差し引いた金額)。

②合計所得を計算する

合計所得 = 給与所得356万円 + 一時所得61,000円
       = 約362万円

③課税所得を計算する

合計所得から基礎控除(48万円)・社会保険料控除などを差し引いて課税所得を求めます。ここでは基礎控除と社会保険料控除(年収の約14%・約70万円)のみで簡略計算します。

課税所得 ≈ 362万円 − 48万円 − 70万円 = 約244万円

④所得税を計算する

課税所得244万円は速算表の「195万円超〜330万円以下(税率10%)」に該当します。

所得税 = 244万円 × 10% − 97,500円 = 146,500円

一時所得がなかった場合と比べると、所得税はおおよそ 6,100円 増加します。

住民税も忘れずに

所得税とは別に住民税も課税されます。 住民税の税率は一律10%です。

今回のケースでは、課税対象の一時所得 61,000円 に対して10%がかかるため、住民税の増加額もおおよそ 6,100円 になります。

所得税(約6,100円)と住民税(約6,100円)を合わせると、ケース2の的中内容(年間払戻630,000円)で発生する追加税負担の合計目安は、およそ 12,200円程度 (所得税率10%の方の場合)です。

まとめ:結局いくら増えるのか?

ケース2(年間63万円の払戻)の場合、増える税金の合計は 12,200円 です。内訳は以下の通りです。

■ 増税額の内訳(ケース2の場合)

種類計算式増える金額
所得税61,000円 × 10%6,100円
住民税61,000円 × 10%6,100円
合計12,200円

※年収500万円(所得税率10%)の会社員を想定。

ポイント内容
計算の基本(払戻合計 − 当たり馬券代 − 50万円)× 1/2
課税ゼロのライン年間払戻から当たり馬券代を引いた額が50万円以下なら課税なし
税率は給与と合算一時所得は給与所得に上乗せして税率が決まる
住民税も発生する所得税とは別に住民税(一律10%)がかかる

次回は「経費と申告義務」として、外れ馬券・交通費の扱いと、確定申告が必要になるボーダーラインを解説しますね。


※ この記事は国税庁の公式情報をもとに作成しています。個別の税務判断については税理士にご相談ください。

Martin

Martin

Python × 競馬。多変量解析で「トラックバイアス」を数値化し、真の期待値を自動算出。