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連敗中に買い方が崩れる理由|期待値プラスでも負けが続くときの考え方
2026-03-204分で読める

連敗中に買い方が崩れる理由|期待値プラスでも負けが続くときの考え方

連敗中に買い方が崩れる理由|期待値プラスでも負けが続くときの考え方

「EV1.3以上の馬だけ買っているのに、10連敗した」

これは手法が間違っているサインでしょうか。結論から言うと、ほとんどの場合、そうではありません。 期待値プラスの買い方をしていても、連敗は普通に起きます。問題は連敗そのものではなく、 連敗したときに「正しい行動を続けられるか」 なんですね。

連敗は異常ではない

まず確率の話をします。

サイコロを振って「6が出たら勝ち」というゲームがあるとします。勝率は約16.7%です。

10回連続で6以外が出る確率 = (5/6)^10 ≈ 16.2%

6回に1回当たるゲームで、10連敗する確率は約16%もあります。 100人が同じゲームをしたら、16人は10連敗するわけです。

これを競馬に置き換えてみましょう。

EV1.3の馬の想定勝率:25%
10戦全敗する確率:(0.75)^10 ≈ 5.6%
20戦全敗する確率:(0.75)^20 ≈ 0.3%

25%勝率の馬でも、10連敗は20回に1回くらいの頻度で起きます。「10連敗した=手法が間違っている」は早計なんですね。

連敗中に買い方が崩れる3つのパターン

では実際に何が起きているかというと、連敗のストレスが判断を歪めます。

パターン①:見送りレースに手を出す

本来は「EVが1.2以上の馬だけ買う」ルールを持っていたのに、連敗が続くと「そろそろ当たるはず」と根拠なくEV1.0以下のレースに参加し始めるんですね。これをギャンブラーの誤謬と呼びます。

コインを10回投げてすべて表だった
→ 「次は裏が出るはず」と感じる

これは誤りです。
次のコインは過去10回と無関係に50%の確率で表か裏です

競馬も同じです。前のレースで10回外れても、次のレースの期待値は変わりません。

パターン②:一発逆転で賭け金を増やす

前の記事で解説したプロスペクト理論の影響です。損失の痛みから早く抜け出したくて、賭け金を増やして取り返そうとします。

パターン③:手法そのものを疑って迷走する

「この方法は間違っているんじゃないか」と不安になり、根拠のない別の買い方を試し始める。結果的に何の一貫性もない買い方になるパターンです。

期待値プラスの確認方法

連敗が続いたとき、手法を疑う前に確認すべきことがあります。

確認項目チェック内容
EVの基準は守れているかEV1.2以上という基準は変えていないか
賭け金は固定されているか連敗後に増額していないか
見送りレースを増やしていないか「そろそろ当たる」で追加購入していないか
試行回数は十分か30〜50戦以上のデータで判断しているか

手法の正しさを判断するには最低30〜50戦のデータが必要です。 10〜20戦の結果で手法を変えてしまうのは、サンプルが少なすぎるんですね。

「正しく負ける」という考え方

プロのポーカープレイヤーはよく「結果ではなく、意思決定の質で評価する」と言います。

期待値プラスの手を打ったのに負けた場合、その判断は正しかったことになります。逆に期待値マイナスの手を打って偶然勝っても、その判断は間違っていたということです。

競馬も同じ構造です。

EV1.3の馬を買った → 負けた
→ 判断は正しかった。ただ確率の分散が出ただけ

EV0.8の馬を買った → 当たった
→ 判断は間違っていた。たまたま運が良かっただけ

「正しい判断をして負ける」と「間違った判断をして勝つ」は、まったく別の話なんですね。短期の結果ではなく、判断の質を積み重ねることが長期収支のプラスにつながります。

連敗中のメンタルを維持する仕組み

理屈では分かっていても感情は揺れます。なので仕組みで対処します。

① 買い記録をつける 「EV・賭け金・結果」を記録しておくと、感情ではなくデータで自分の判断を評価できます。連敗中でも「基準通りに買えている」という確認が安心感につながるんですね。

② 判断基準を文書化しておく 「EV1.2以上しか買わない」「1レース500円固定」など、事前に決めたルールを書いておく。迷ったときに見返すためのものです。

③ 100戦単位で評価する 10戦・20戦の結果に一喜一憂しない。回収率は100戦以上のスパンで評価する習慣を持つことが重要です。

まとめ

ポイント内容
連敗の確率勝率25%の馬でも10連敗は普通に起きる
ギャンブラーの誤謬「そろそろ当たる」は確率論的に誤り
手法の評価基準30〜50戦以上のデータで判断する
正しい評価軸結果ではなく、判断の質(EVを守れているか)で評価する
仕組み化記録・ルール文書化・100戦スパンの評価

期待値プラスの手法が機能するのは、長期間・一貫して実行し続けたときです。連敗中こそ手法を信じて続けられるかどうかが、最終的な収支を分けます。


※ 本記事は確率論・行動経済学の研究をもとに、競馬への応用として解説しています。

// このシリーズの全記事

  1. 01「取り返したい」が収支を壊す|プロスペクト理論と競馬の損失回避バイアス
  2. 02なぜ人気馬をつい買いたくなるのか|同調バイアスと競馬の過剰人気
  3. 03連敗中に買い方が崩れる理由|期待値プラスでも負けが続くときの考え方NOW
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Python × 競馬。多変量解析で「トラックバイアス」を数値化し、真の期待値を自動算出。